言語聴覚士(ST)の医療・介護での仕事について:研修会

令和4年2月26日に、グレースホームヘルプのヘルパーの方を対象に研修会を開きました。

テーマは「言語聴覚士(ST)とは医療・介護でどんな仕事をするのか」で、グレースで働くSTの方が講師を務めました。
まず、ST=Speech-Language-Hearing Therapistsということで、言葉の障害(失語症など)、聞こえの障害、声や発声の障害(音声障害、構音障害)、食べる機能の障害(摂食・嚥下障害)、認知症などのリハビリを行うのが役割ということです。

日本全国では約3万6千人のSTがおり、埼玉県では約870人、そのうちの7割は医療(病院等)で働き、介護系では14%程度が仕事をしているようです。国家資格となった頃からSTは増えていますが、理学療法士(PT)の10数万人に比べるとまだ少ない状況だそうです。

言葉の障害の失語症を例にとると、失語症は脳の損傷が原因で、聴く、話す、読む、書く、などの機能が失われた状態ですが、STによるリハビリでも回復は90%くらいが最高のレベルだそうです。 どもりなどの構音障害との違いは、例えれば、失語症はオーディオの本体が壊れていることで、構音障害はスピーカーが壊れていることです。
また認知症との違いは、失語症は言葉の機能だけが落ちていて、認知症は全般的な機能が落ちているということです。
失語症にも種類があり、理解できるが話せないブローカ失語、話せるが理解できず言葉がめちゃくちゃになるウェルニッケ失語、物や人の名前が出てこない(あれ、それ、という)健忘失語、言葉の能力が大きく障害された全失語があります。

こうした「言葉の障害」に関して、STの役割は発症から急性期では、文字盤や絵を使いコミュニケーションをできるように半年ほどリハビリ訓練することからはじまり、退院後の慢性期では家で何年~何十年にわたりコミュニケーション能力向上と社会復帰のための訓練を行います。

また、「食べることの障害」では、顔、首、口のマッサージ、肩や首のストレッチ、早口言葉、口の体操、歌うことなどをして治療をしてゆきます。

いずれにしても、リハビリで100%元に戻ることはそうあることでなく、90%ほどが最高レベルだそうです。

こうした説明の後、実技で障害を持つ人の気持ちや状態を、各自が体験しました。 まず、「舌を挟みながら話す」「上を向いたまま水を飲みこむ」「口を開けたまま水を飲みこむ」を参加者が行い、難しさや喉周りの動きを体験しました。

質疑応答では、言葉がほとんど出ない自閉の男性との接し方について、身振り手振り、言葉かけなどで意思疎通をはかり、本人が介護者にしてもらいことを自分で決めることがリハビリにつながるということです。

ALSの患者さんでは、「あ~う~」しか言葉が出なくても家族にはわかることもあるので、通訳として同席してもらい、介護をしてゆくことも大切です。

グレースの介護士・ヘルパーらは、現場でこのような実践を日ごろから行っており、講師から「良い対応です」と言葉をかけられました。 ユーモアのある講師の話でリラックスした研修となりました。

高齢者の増加や障がい者のQOL向上のため、ST(言語聴覚士)のほかOT(作業療法士)、PT(理学療法士)によるリハビリも、介護や看護とともに重要な治療ということもわかりました。


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