発達障害者支援センター「まほろば」の専門研修2を受講

令和3年10月22日に、「発達障害と併存障害・周辺症状への理解~くせとこだわりの理解と対応~」の題で、金生由紀子先生によるZOOM研修を、グレース相談支援センターの相談員(看護師)、相談支援専門員(看護師)、管理者が受講しました。

発達期の認知・行動・情緒のそれぞれの機能で、認知が低ければ知的障害や学習障害、運動に問題があればチック症や発達性協調運動症、コミュニケーションや興味・行動の偏りがあれば自閉スペクトラム症、不注意・多動性・衝動性が強ければ注意欠如・多動症のような発達障害と診断されます。ただし、これらはオーバーラップしていることが多く多面的な問題です。

発達障害者支援法の改正で、この障害は医療モデルから社会モデルへと変わりました。つまり、発達障害者とは、発達障害があるもので、その障害および「社会的障壁」により日常生活または社会生活に制限をうけるもと、となりました。したがって、社会的障壁の状況で、発達障害者か少々困っている普通の人の境界ができます。

また、一昔前は、脳神経系の問題が重要視されましたが、発達障害の原因には愛着形成阻害=家庭環境や育て方も、かなり関わっていることも再認識されているようです。

発達障害の種類として、自閉スペクトラム症(ASD)、注意欠如・多動症(ADHD)がまず挙げられます。これらの併存障害としての「くせ」=チック症(TD)、「こだわり」=強迫症(OCD)があります。

 チックには、運動チックと音声チックがあり、発症継続期間が1年以下と以上で暫定チックと慢性チックと分けられ、運動と音声の両方のチックが慢性化したものが、トゥレット症といわれます。そして講義では、これらのチックの詳しい説明が行われました。

チック(トゥレット)の治療としては薬物、認知行動療法、支持的精神療法・家族療法などがあります。昔はハロペリドールが第一選択薬でしたが、いまは、アリピプラゾールやリスペリドンに代わっているようです。認知行動療法としてのハビットリバーサルは、チックの前駆運動を気づいて、その代替運動をして改善していくものです。

次に強迫症(OCD)について説明がありました。そして、自閉スペクトラム(ASD)と強迫症(OCD)とトゥレット症(TD)のトライアングル型の併存、ADHDとトゥレット症の併存などについて解説されました。

いずれにしても、こうした発達障害は、中核症状と併存症の両方を見てゆくことの重要性が分かりました。

                        グレース相談支援センター 

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