「やさしさの援助」ヘルパー研修会 R4年第一回
令和4年5月21日(土) ヘルパーさん向けの今年度第1回目の研修会を行いました。
講師の先生は、保健師、臨床心理士、介護福祉士、看護師、社会福祉士などの資格と、介護、看護、保健の分野での現場経験が豊富な方です。テーマは「やさしさの援助」でした。
やさしさって何だろう?との問いから始まりました。患者さんの本来のもつ治る力を引き出すためには、介護者も「良くなる、治る」と信じていることが大切です。そうした気持ちは、利用者様にも伝わり、その心を前向きにしてゆきます。
やさしさを持つとき、例えば「かわいそうだ」と思うことを考える場合でも、「同感」と「共感」は違うということです。同感は、相手と一体になり同じ思考の枠組みに入っているので、相手と距離が近すぎて一緒に堂々巡りしがちです。 一方、「共感」は相手に寄り添いますが、自分と相手は別だとはっきり自覚しているので、相手の困った状況を別の角度から見ることもできます。援助者としては、共感的なやさしさが必要だということです。相手の気持ちを感じ、それを自分の体の中を通す感じで共感して、その気持ちを相手に返すこと:つまりシンクロすることが大切です。
共感するための3つの柱は、「相手の気持ちを想像できる」「人は様々な感情・気持ちを持っていると知っている」そして「相手の感情・気持ちは自分と違うことが分かる」を持つことです。
心とは難しいものですが、刺激をうけ心が反応するのは瞬時に起こっています。しかし、よく見ると、環境からの刺激は知覚を通り脳で認識されそれが感情となり身体反応が起き、最後は行動につながります。刺激か・知覚・認知・感情・身体反応が一瞬で起きているのが「心」です。
10年~15年ほど前に有名になった、認知症の患者さんへの介護・看護の方法として、ユマニチュードがあります。お世話に入る前のアプローチから声掛けをして、ケアの準備で「これからお風呂に入りますよ、服を脱がせますよ」などと相手に安心感を与えることが重要です。そうして、相手が介護者は「あなたの味方ですよ」という気持ちを持ってもらえるようにします。そのために、同じ目線で見る、やさしく話しかける、触れる、立つ、などをのこと行い、利用者様の安心感を得て、再会の約束をして終わります。
こうした、テクニックもやさしを相手に伝えるうえで大切なことが分かりました。
このあたりから、参加者が事例をついて講師の方にいろいろ質問が始まり、自分の考えや経験から、困難事例の利用者さんにどうやさしく接して介護していけるか話が盛り上がりました。
相手の気持ちに共感しシンクロして、よりよい介護につなげてゆきたいと思います。