リハビリの方法の研修:腰痛予防も ヘルパー研修R4年度 第2回
令和4年9月17日(土) 今年度の第2回のヘルパー向け研修会を開催しました。
テーマはリハビリの方法で、腰痛予防も含まれます。 講師は理学療法士の方です。
ヘルパーさんが訪問する際に、リハビリの後に利用者様の動きが良くなっていることに気づくことがあるので、具体的にどのようなリハビリをしているのか?
退院後の在宅復帰で、歩く・立つという動作から、日常の生活の動きを取り戻していくためにどのようなアプローチがあるのか?
腰痛予防について、などの事前のヘルパーさんの疑問をテーマにした研修会でした。
まず、多くの分野で業務改善の方法としてPDCAサイクルが用いられていますが、リハビリや医療の分野では、S・PDCAサイクルが大切です。SはSurveyでにニーズの把握やアセスメントのことです。 Sの情報収集として、以前の生活スタイル、生活環境や福祉用具の使用状況、身体機能、認知機能、入院中の様子、現在歴・既往歴、正確・人柄などをまず知ることから始めます。
P・Dのリハビリ計画と実施では、以下のようなことを行います。
•生活環境設定(福祉用具選定や配置等)
•身体機能向上(痛みを和らげる、身体を柔らかく、活気をだす)
•転倒リスク回避(立ち上がりや方向転換を繰り返し行う反復練習)
•基本動作向上(寝起き・座ること・しゃがむ・歩く・食べる)
•日常生活維持(対象者の生活を総合的にみて介助量が軽くなれば)
•認知機能向上(脳の活性化)
•コミュニケーション(その時が楽しく、悩みを聞く、気づき)
•自己管理能力(どこに介助が必要なのか必要でないのかの確認)
•危険認識(性格なのか病気の影響なのか)
C・Aの評価・改善では、現状確認と実用状況や生活状況の変化などを確認していゆきます。
こうした定常的なリハビリのほか、当日の利用者様の状態(表情、元気があるかないか、体調など)をみて、臨機応変にリハビリとしてすることを変えてゆきます。歩きや体操のほか、カラオケなどを行う場合もあります。 気持ちが明るくなることが、体調にも大きく影響するからです。 こうした点は、どちらかというとすることが決まっているヘルパー業務との違いです。
こうした臨機応変のリハビリ対応は、状況が変化する中でのOODAループと同様といえます。
O=observe 観察する
O=orient 分析・判断して方向性を決める
D=decide 意思決定する
A=action 実行する
腰痛予防の話では、腰に負担のある動作・悪い姿勢・座りがちな生活が腰痛の原因となることから、
•自身と相手に負担のない介助方法
•介助時の環境設定(ベッド高・車椅子設定)
•左右非対称
•不良姿勢(前後・水平)
•運転姿勢
・不安やストレス
・運動不足や過度の安静や筋萎縮を避ける、適度な運動、徐々に安静度介助、筋活動向上、筋委縮を遅らせる
などのお話が出ました。 痛みの悪循環に陥らないための方法です。
その後、実際の利用者様の例で、狭い部屋でのリハビリのやり方、ベッドからポータブルトイレへの移乗のさせかた、腰痛予防のための骨盤を立てる座り方、などヘルパーさんが困っている例について具体的な話し合いが行われまた。 ベッドの高さ調整などの機能を十分に利用することも大事です。リハビリは専門職だけでなく、ヘルパーさんでもできることもあるので、利用者様に良いことは取り入れていければよいとのことでした。