介護研修(第3回)を行いました。

介護職員の資質の向上と相互の研鑽を目的として、令和2年9月26日に介護職員の研修(第3回)を行いました。
テーマは「パーソン・センタード・ケア」で、利用者さんを中心に置いたケアの理解と方法です。

グレース訪問看護リハビリステーションの小島典子所長が講師を、高橋訪問看護師が司会を務めました。

テキストでは認知症の患者さんを例にして、治りにくい医学的な「中核症状」に対して、身体の健康状態や性格・素質・生活歴・環境が影響を与える「行動・心理症状(BPSD)」、例えば、うつ状態、感情障害、昼夜逆転、徘徊、暴力行為・興奮、妄想、夜間せん妄などを「改善」するために、どのような対応や声掛けを行うのが良いかということを学ぶとともに意見交換しました。

利用者さんの満たされない心理的ニーズ=愛を中心に、くつろぎ、アイデンティティ、結びつき、たずさわり、インクルージョン(共にあること)を、見つけることから始めます。そのために、「良くない状態のサイン」、例えば、不安、怒り、恐れ、無気力、退屈、緊張などを見つけるため、利用者さんの声や思い、しぐさ等を視覚・聴覚・触覚で「聞く」ことです。。そして、「情報を集め」、「心理的ニーズを見つけ」ます。

実際の介護現場での各自の「声掛け」や「対話」、「ふれあい」などの事例を皆で話し合いました。訪問している時には、その人の事だけを考えて気づかいや行動をすることが大切なこと、利用者さんとの時間はプロとして接すること、お風呂に入れるときは「あったかいいいお湯ですよ」などと声掛けしたり、利用者さんにいい気持ちや安らぎを与える言葉を温かく優しくかけること、同じ高さの目線で接することなど、徘徊する場合には一緒に歩いたり気が済むまでさせること、など、研修の参加者が多くの意見交換を行いました。また、時にはプロとして体に触れることも必要ですが、利用者さんからセクハラ的な言動を受けることもあるので、「流して対応」するようです。

「情報を集める」については、グレースとして訪問看護と訪問介護の両方が入っている利用者さんの場合は、飲んでいる薬の効果などを知って、その人の状態を観察しながら介護に生かすこともできます。それを看護師にフィードバックすることで、より良いケアにつながります。

こうした共感的な対応をしつつも、テクニカルには訪問時間内にすべき身体介護や料理などをきちっと行うことが重要です。

そして、「良い状態のサイン」として、利用者さんの自信、リラックス、ユーモア、喜び、感情表現、自尊心などが出てくれば、心理的ニーズが満たされたことになります。

こうした介護を訪問先でできるように、介護職員はやさしさと温かさと努力をして常にケアを行っています。

                      文責  グレースホームヘルプ  晝間 大郎

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